インフルエンザは毎年冬に流行をくりかえす非常に伝染力の強いウイルス性感染症です。この数年Aホンコン型が主流でしたが、昨年はB型が大きな流行をおこしました。これ以外にAソ連型も加えた、3種類のウイルスが毎年変異を少しづつおこしていきますし、近年では鳥の間で流行をひきおこす高病原性鳥型インフルエンザウイルスが、いつ突然変異をおこして人に流行をひきおこすか非常に危惧されています。
インフルエンザの特徴は潜伏期間が1~2日と短く、39℃以上の急な高熱で始まり、ふつうのかぜ症状以外に、強い倦怠感、筋肉痛、関節痛や頭痛など全身症状が強いことです。熱性痙攣、気管支炎や肺炎、中耳炎などをおこしやすく、また5歳以下の幼児では特に脳炎・脳症が非常にこわい合併症です。2000年には200人以上の方が発症し、死亡率30%と報告されています。
ワクチンは毎年WHOが世界の流行状況から予測されるウイルス株を決め、少しづつ異なるワクチンが作られています。効果はその予測のあたりはずれや年齢などにより異なりますが、おおまかに言って50~70%です。診断や治療薬なども特に日本では進歩してきましたが、効果がでて解熱するまで約48時間くらいはかかります。病気の重症度や合併症、薬の副作用のことなどを考えると予防効果が100%ではなくても、かかっても軽くすむよう、予防接種をうけましょう。
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