ザ・病気
夜尿症
小さなお子さんが夜眠っている間に作られる尿の量が多すぎたり、尿をためる膀胱が小さすぎるためにお漏らししてしまうのはおねしょです。5、6歳を過ぎても、月に数回以上おねしょすることを夜尿症といい、6歳児では10~20%にみられます。
夜尿症は、①多尿型②膀胱型③混合型の3つのタイプにわけられます。
① 多尿型とは、夜間の尿量が多いタイプで、尿を濃縮する抗利尿ホルモンの分泌が低下していたり、思春期が遅い、いわゆる晩生のお子さんにみられる傾向にあります。
② 膀胱が小さいため、日中にも、おしっこをちびってしまうようなタイプで、冷え性の子に多い傾向にあります。
③ ①と②の両方ともに原因で、より治りにくいタイプです。
病院では、夜尿症タイプを調べ、糖尿病や尿崩症、尿路感染症など他の病気を除外するためにいろいろな検査を行います。タイプにより異なる種々の治療薬を使用しますが、その前に家庭でできる対策として、無理やり夜中におこさない、夕方からは水分や塩分をひかえる、規則正しい生活リズムの確立、寒さ(冷え)対策として、寝る前に入浴する、布団をあたためる、おしっこをぎりぎりまでがまんする訓練をする、など日常生活でできることをしっかり守ることが大切です。起こさず・あせらず・おこらずという三原則を忘れないでください。おねしょはありふれたこどもの症状です。もし夜尿があってもお子さんは無意識のうちにしていますので、決して責めず、「おねしょは必ず治るものだ」と家族みんなでささえてあげましょう。