ザ・病気
ギョウ虫
最近、寄生虫にお目にかかることはまずありません。
でもギョウ虫だけは減っていません。5~10歳の子どもの5~10%、またこの子どもたちの両親の年齢層である30才代に高い陽性率がみられます。
ギョウ虫は、ヒトの盲腸に寄生しており、メスはヒトが眠った後、肛門から出てきて肛門周囲に約1万個の卵を産みます。産卵後、メスは死んでしまいますが、肛門がかゆいので、かくと虫卵が手につき、手から口に入って再び感染をくりかえします。また、下着やシーツにくっついたり、床におちた卵が口から入って感染します。セロハンによる検査は通常2日間行われますが、メスは毎日産卵するとは限らないので陽性率は実は5割くらいです。
【コンバントリン】という駆虫剤で治療しますが、駆虫剤は成虫にしか効きません。1回目に服用したときにまだ卵や子虫であったギョウ虫が成虫になったころ、もう1回駆虫すると効果的です。そこで家族全員が同時に、約2週間あけて2回飲むことが大事です。
それでも、虫卵は空気中で40日以上も生存可能ですから、保育園や小学校など集団生活の場で、他の子どもから虫卵をもらうことも多いわけです。
ギョウ虫が陽性と出たお子さんは、朝起床後に肛門を洗浄し、新しい下着に取り替える、布団の日干しやシーツの交換、寝室の床の掃除機かけなども心がけてください。また日頃から、爪を切り、手洗いを励行しましょう。