ザ・病気
水痘(みずぼうそう)とワクチン
水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、約2週間の潜伏期間を経て水痘を発症します。症状の重さは個人差が大きいですが、全身に多数の水泡(平均約300個)ができ、発熱(微熱から40℃代の高熱まで)も伴います。水泡は約1週間でかさぶたとなりますが、全身のすべての水泡がかさぶたになるまで伝染力が強いので、登園や登校はできません。ワクチンを1回打っていたり、抗ウイルス剤を早期に始めると軽症化させることができます。合併症として、肺炎・脳炎・小脳失調症・肝炎・血小板減少症・ライ症候群などがあります。最も多いのは皮膚の化膿ですが、痕が残りやすく、これもあなどれません。
ワクチンは日本で開発され、1987年から市販されました。もともと白血病など免疫力の低下しているお子さんを対象に弱毒化、開発されたワクチンなので、健康な小児の場合副反応はほぼありません。ただし、1回の接種では2~3割が数年以内に自然水痘にかかってしまうので、3~6ケ月後に2回目の接種が望ましいです。1歳から3歳未満のお子さんは2014年10月以後、国の定期接種として2回の接種を無料で受けることができるようになりました。
帯状疱疹は水痘を発症後、このウイルスが脊髄の神経節に潜伏感染し続けて、免疫が低下した場合に再活性化して神経にそって水泡が出現し、後に神経痛を残す病気です。ワクチンを受けておくと発症しにくいです。お子様が1歳半頃までは、受けていただきたいワクチンがその他たくさんあります。わかりにくいこと、心配なことなど、スタッフに遠慮なくお尋ねください。