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ザ・病気

キャンピロバクター腸炎

キャンピロバクターという病原体は、ニワトリや家畜が腸管内に持っており、これらの動物の排泄物で汚染された肉や水、また手指や調理器具などを介して汚染された食品を摂取して経口感染をおこします。

8割の患者さんが鶏肉による感染で、日本の鶏肉の20~40%がキャンピロバクターに汚染されているともいわれています。抵抗力の弱い乳幼児が発症しやすい病気です。潜伏期間は2~5日間で、発熱や頭痛、腹痛、下痢が始まります。嘔吐がなく、血便が5割の頻度で生じることが特徴です。

焼き鳥屋やバーベキューなどで加熱不十分な鶏肉を家族みなで食べ、同じものを食べているのに子供だけ発病することがよくあります。便の培養検査の結果、数日後に診断がつけば、抗生剤を5日間ほど内服してください。速やかに、症状も排菌も消失します。自然に治癒していくこともありますが、無治療だと1~2,3週間下痢が続き、便の中への排菌は、2~7週間も続きます。

合併症として、ギランバレー症候群という、下肢から脱力が始まり、次第に全身の筋肉がマヒしていく病気があります。20%に神経後遺症を残す重篤な病気です。